スマホをいじりながらの運転が今月(12月)から、厳罰化されました。
横の関係で繋がる世界を創る【勇気づけの専門家・心の整体師】自己肯定力育成コーチのメタルです。
いわゆるながらスマホですね。
何かを禁止とか防止するための啓発文や、ポスターをよく見かけます。
よくある「○○禁止!」というやつ。
でも、○○禁止!は、人間の脳の働きから見ると効果が無いどころか、逆効果なんですよね。
そのなぜ逆効果なのかという理由と、どんな啓発文・ポスターなどが有効なのか?を心理学面からお話ししますね。
脳は肯定否定を理解できない
このブログ記事のなかでも人気なのがこれ。
脳は肯定と否定を理解できないのです。
それというのも、イメージしたものが心に印象づけられるので、後から否定しても最初にイメージしたものが残ってしまうんですよね。
簡単な例をご紹介します。
この文章を読んでください。
ピンク色をした象を絶対にイメージしてはいけません!!!
どうでした?
一瞬でもピンクの象をイメージせずにいられましたか?
打ち消す、つまり否定する言葉は、必ず始めに思い浮かべないと否定することができないんです。
特に日本語は、最後に否定する言葉が来るので尚更(なおさら)です。
人間の脳は注目するものが増えていくので、ピンクの象をイメージするな!、ピンクの象をイメージするな!と思っていると、心の中はピンクの象でいっぱいになるんです。
恋愛相談でよくあるのが、別れた彼氏のことを忘れられないというもの。
上述の原則からいうと、これも当然。
別れた彼氏を忘れようとすれば、必ず別れた彼氏のことを考えなければならないのです。
だから、いつまで経っても忘れることができないんですよね。
事故に繋がる啓発文・ポスターなど
冒頭の運転中スマホ禁止の案件でも、スマホをいじりながら運転中の画像にスマホ禁止!と書かれたものをよく見かけます。
また、無事故無違反と書かれたポスター。
前述の理論からすると、スマホ運転や事故を誘発させる啓発文・ポスターだといえます。
海上保安庁時代、わたしの乗っている巡視船でこんな事故がありました。
巡視船は、小型のボートを積んでいます。
そのボートで、他の船へ乗り移ったり、他の船への立入検査、入港できない小さい港へ上陸するのですが、そのボートは専用のボートダビットと呼ばれる装置に格納されます。
その際は、テークル(滑車)を使って上げるのですが、その作業中に作業員が「置いてはいけない」とされている場所に手を置いて、滑車と固定具の間に挟まれ、手を骨折するという労災事故がありました。
その場所は、前々から「手を置いてはいけない」とされている場所でした。
今考えると、この「手を置いてはいけない」という指示があまりよろしくないと解ります。
作業員は、無意識のうちに手を置くイメージをしてしまい、手を置いてしまったんでしょう。
余談ですが、こういう否定を使った文章は、否定命令と呼ばれていて、わざと反対の行動を取らせるための暗示を掛ける時にも使われます。
子どもに勉強させたかったら家では絶対に勉強しちゃダメよと言い続ければ、自ら勉強しようとするかもですよ。
家で教科書を開いているのを見たら何やってるの!勉強しちゃダメだって言ってるでしょ!と怒るとか…
話を本題にもどしますね。
では、どんな啓発文・ポスターが良いのでしょうか?
やって欲しいことを指示する
脳は、禁止されっぱなしだと混乱します。
そして混乱は、戸惑いを呼び、結局どうしていいのか解らずにイメージしている行動をしてしまいます。
例えば、「廊下を走るな!」を見るとどうしていいのか解らなくなって「走りたくなる」。
「スマホをいじるな!」というポスターを見ると「スマホをいじりたくなる」のです。
昔話の鶴の恩返しのように「襖を開けるな!」と言われると「襖を開けたくなる」のです。
浦島太郎のように「玉手箱を開けてはなりません」と言われると「開けたくなる」。
こういう時は、やって欲しい行動を支持するといいでしょう。
廊下を走って貰いたくないのであれば、「廊下はゆっくり歩こう」。
運転中にスマホをいじって欲しくなければ「運転中は両手はハンドルに」。
襖を開けて欲しくなければ「襖はこのままにしておいてください」。
なぜ開けてはいけない玉手箱を乙姫様がお土産に渡したのか?謎ですが…
このように、ポスターや啓発文を見た相手に行動を促すような文章やポスターであれば、抵抗なく目的を達せられるでしょう。
まとめ
このように、人間はイメージしている行動を取ってしまいます。
そして、禁止されることが多いととても窮屈で居心地が悪くなります。
やってはいけないという行動をしてしまうとき、人間はその居心地の悪さから開放されようとするエネルギーが生まれるのかもしれませんね。
あなたの周りにも、こういう間違いだらけのポスターはないでしょうか?
もし、あなたが作る側だとしたら、このことに気をつけて事故防止などに取り組んでくださいね。
Written by ウミザル式自己肯定力育成コーチ メタル
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