アドラー心理学をテーマにしたドラマ嫌われる勇気をアドラーオタクのメンタルサポーター メタル(@Metal_mac)が、明確に感想を交えながら解説します。
今回は第3話、競争でした。
競争の否定
貴方の顔を気にしているのは貴方だけ
と大文字教授は言います。
大文字教授は、人生は他者との競争ではないとも言っています。
競争の中に身を置いて、他者との比較で常に上へ行っても人間はけして幸せには成れないとアドラーは考えます。
例え、他者を蹴散らして登り詰めたとしても、自分もいつかは追い抜かれるかもしれないと恐れ、安心は無く常に心安まらない状態が続きます。
これでは、幸せなゆったりした気持ちは持てないんじゃないでしょうか。
他者と自分を比較して劣等感を持つことで、今回の事件のように他者に嫉妬し、恨み、挙げ句の果てには殺害してしまいます。
こういう話があります。
ある中学生がいました。
その学校では、常に1番の成績でした。
ところが、進学校の高校へ入学すると、他校からも成績優秀な生徒が入ってくるために順位は中ぐらいになってしまいました。
そこで、この優秀な学生は「自分が劣っている」と劣等感を抱き、登校拒否になってしまいました。
彼の学力は、何の変化もないのに他者と比較したためにやる気が出なくなってしまったのです。
この時、彼が大文字教授の言うように、他者と比較せずもっと勉強して学力を付けようと自らの優越性を追求し勇気を持って一歩を踏み出せば良い方向へ向かうのです。
常に、比べるのは理想の自分であり、他人との比較ではないということです。
他者を常に意識し、敗者にならないためには常に勝ち続けなければならない
競争とライバル
それでは、ライバルと切磋琢磨して成長しようとすることも否定するのか?
と思われるかもしれませんが、それは違います。
ライバルとして切磋琢磨するということは、自分とライバルは横の関係で繋がっている仲間だ、と考えます。
つまり、どっちが優秀か?劣っているか?の上下関係ではなく、同じ目的のために励まし合う仲間だという考え方なのです。
これが、アドラー心理学で誤解を生みがちなところなのですよね。
また、アドラー心理学では劣等性(劣等感)についても否定はしていません。
例えば、幼い頃、身体が弱いなどの障害があってそれを克服するために身体を鍛え、オリンピックに出るなどの成果を出した人もいます。
これは、他者との比較ではなく劣等性をバネにして理想の自分になるための努力した結果です。
このように、劣等感をバネに自分を成長させる勇気を持つことが大切なのです。
競争から降りる
わたしも、サラリーマン時代に常に他人と自分を比較して、成績優秀であろうとしました。
しかし、数字で成績が現れる職場ではなかったので、上司の評価は人それぞれ、自分と合う上司の時は成績が良く、そりの合わない上司の時はダメでした。
それで苦しんだときがあったのですが、このアドラー心理学の他者との比較を止めて競争から降りたところ、心穏やかになったのを覚えています。
他者との比較ではなく、理想の自分に近づこうとする勇気なのです。
まとめ
最後に、女子高生が母親は自分の価値観を押しつけているだけだと気がついたと言います。
これも、親がこうなって欲しいと自分の価値観を押しつけるトラブルも多いように思います。
わたしの母親の場合も、こうあるべきだ、こうしなければならないという価値観が多かった人でしたね。
なので、母親も自分で自分を縛り付けて苦しかったと思いますが、わたしも何か思い重しを頭の上に置かれているようで息苦しかったです。
その時、私に必要だったのは、こういう他人の干渉は多々あれど自分の人生を歩む勇気だったのかもしれません。
Written by メタル(@Metal_mac)
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