アドラー心理学では、共同体意識という考え方があります。
例えば、1つのサッカーチームがあるとします。
そこにいる選手はもちろん、コーチやスタッフは「チームを優勝させる」という共通の目的を持って練習や試合に臨みますよね。
これが、共同体感覚です。
共同体感覚を身につける
アドラー心理学でいう「共同体感覚」とは、さきほどのサッカーチームと同じく、会社や集団において上下の関係ではなく、横の関係を築き上げることでお互いに協力し合って目的地へ進む感覚なのです。
キーワードは、「感謝」と「尊敬」です。
感謝
例えば、部下や同僚に10個の仕事を頼んだとします、しかし部下は7つしかできませんでした。
この時、7つできたことに感謝するか、3つできなかったことを責めるかによって、部下のやる気も変わってくるんじゃないでしょうか?
部下にしても、10個頼まれて7つしかできなければ、それなりに負い目もあるでしょう。
あっけらかんと「できなかったから仕方がない」と考える部下もいるかもしれませんが、それを責めてしまっては彼・彼女達のやる気を削いでしまいます。
そんな時に、あなたが7つできたことに感謝すれば、「叱られるかも」と思っていた部下はどう感じるでしょうか?
嬉しいと感じるでしょう。
あなたが反対の立場だったらやる気が出ると思いませんか?
そもそも、その部下には荷が重かったのかもしれませんし、何か事情があったのかもしれません。
そんな時は、部下に寄り添って、何か事情があったのか?何か困ったことがなかったのか?問いただすのではなく、相談に乗ってあげましょう。
そうすれば、ボチボチと隠れている問題を話してくれるかもしれません。
こうやって、お互いが仲間という意識を作り上げていけば、生産性があがり、好循環になると思います。
上司と部下、「課長」「部長」などの役職は単なる、役割の違いであって同じ会社を良くしようという仲間なのです。
この「仲間意識」という考え方をアドラー心理学では共同体意識と呼んでいます。
尊敬
日本語で「尊敬」と書くと「憧れの存在に対して抱くモノ」のような印象を受けますが、ここでいう「尊敬」とは英語の「respect」の方がしっくりくるかもしれません。
わたしなりに解釈すると「相手のことを大切に思う」という感覚でしょうか。
部下や子供に対して「あなたのことを大切に思っているよ」と伝えることです。
では、具体的にどう伝えればよいのでしょうか?
方法はいろいろあるでしょうが、わたしが普段から気をつけているのは「自分の感情を伝える」ことです。
「今日会えて嬉しい」「一緒に遊べて楽しかった」etc。
また、尊敬することによって相手の意見や気持ちを大切にすることができます。
例えば、「未熟な部下が言うことだから」とか「まだ子供だから」などと相手の意見を最初から無視したり馬鹿にしたりしない。
必ず、一旦その意見や気持ちを受け取り、それから「自分はこう思う」という言葉で返してあげる。
※俗にいう「I(あい)メッセージ」です。
そうすると、相手はキチンと受け入れてくれたと感じて「自分はここにいていいんだ」「自分の思ったように動いて良いんだ」という認識を持ち、自ら目的に向かって進もうとする共同体感覚が芽生えるのです。
まとめ
上下関係で人と人の関係を構築してしまうと、命令する側と従う側に別れてしまいます。
なので「命令されないと動けない」スタッフや社員、子供に感謝し尊敬することで共同体感覚を育て、優秀な人材を育成することができるのではないでしょうか。
Written by メタル(@Metal_mac)
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