アドラー心理学の目的論は、過去の原因を探るよりも望む未来を描こうという考え方。
パワハラ・モラハラ・いじめが無い、人々が横の関係で繋がる世界を創り、夢実現をサポートする【勇気づけの専門家】自己実現力育成コーチのメタルです。
アドラーの言葉に「過去の原因は、解説になっても解決にはならないだろう」とあります。
人間は機械ではないので、間違いを指摘されたところですぐに直るわけではありません。
それよりも、目的に向かって何ができるか? どうしたらよいのか?を考えた方が、問題解決に向けて前進できるのではないでしょうか?
目的論の思考法 ゴーグルを付けろ
こんな逸話があります。
イタリアのある化学プラントメーカーの話。
このプラントメーカーでは、目に異物が入るのを防ぐためにゴーグルを付けることを義務付けていました。
しかし、いっこうに着用率が上がらない。
幹部や現場監督が集まり、会議を開いて対策を練るのですが、会議では「もっと厳しく指導すべきだ」「そもそも指導方法が悪いのではないか」など様々な意見が出て紛糾します。
挙げ句の果てには、作業員が悪いのではなく現場監督が悪いんじゃないか?いやいや経営幹部が悪いなどと犯人捜しが始まります。
こういうのは、組織内で問題が発生するとよくある光景ですね。
わたしも、サラリーマン時代に幾度となく経験しています。
何度会議を開いても解決しないので、社外からコンサルタントが呼ばれます。
そのコンサルタントが会議の場でこんな質問します。
「何が問題なのですか?」
幹部達は答えます。
「作業員がゴーグルを付けないことだ」
「では、何が解決ですか?」
「作業員がゴーグルを付けることだ」
「では、どうすれば解決しますか?」
「それが解らないから苦労しているんだ」
そんななか、1人が冗談交じりに言います。
「みんなが付けたくなるような、カッコいいゴーグルにすればどうだろう?」
そうすると、他のメンバーが。
「どうせなら、レイバンのサングラスのようなカッコいいゴーグルにしようぜ」
「イタリアの男にとって、カッコいいのは大事だ。そんなゴーグルなら、みんな付けるんじゃないか?」
と会議は盛り上がり、カッコいいオシャレなゴーグルができあがりました。
作業員達に配布したところ大人気。
みんなが喜んで付けるようになったどころか、ゴーグルを付ける必要のない場所でも付けるようになったそうです。
※「ものの味方が変わる座右の寓話」に掲載されている話を参考にしました。
この話から学べること
原因を探していた時は、犯人捜しが始まりいっこうに解決しなかった問題が、目的へ目を向けた途端に良いアイデアが飛び出して、一気に解決へ向かいます。
この話には、3つの重要な学びが込められているように思います。
- 問題は、目的論で思考することで発想が広がり、問題がいち早く解決するということ。
- 人間は楽しいこと嬉しいことだと誰に強制されることなく、自ら進んでやるということ。
- コンサルタントは、問題を整理し解りやすくしただけで、特別なアドバイスはしていないということ。
これが、質問の力。
コーチングなのです。
問題を複雑にしているのは人間、出来事は常にシンプルです。
まとめ
わたしがコーチングやアドラー心理学を広めたいのは、こういう世界を創りたいから。
人と人が争うのではなく、誰に強制されることなく、楽しく自分の人生を生きる社会です。
確かに難しいかもしれません。
理想かもしれません。
だけど、こんな社会だったらとっても素晴らしいと思うんです。
理想が一番良い状態なのですから、それに向かって今少しでもできること。
そんな行動を1人1人が取るようにすれば、いつか必ず理想の社会がやってきます。
昨今の新型コロナウィルス騒動ですが、イベントへ出るやつが悪い、ライブハウス行った人間が広めているなどと原因論で考えるのではなく。
1人1人が「どうすれば解決するか?」と目的論で考え行動すれば、人々が協力し合える態勢ができ、いち早く騒動が収まるのではないか?と考えるのはわたしだけでしょうか。
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Written by ウミザル式自己実現力育成コーチ メタル
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